依頼者が弁護士を選べる時代

弁護士の意識改革

依頼者が弁護士を選べる時代になりつつあります。

弁護士業界で就職難がクローズアップされるようになった背景には、 司法制度改革による弁護士の急増があるといわれています。 この改革は訴訟数増や役所・企業への弁護士進出が増え、それに伴い弁護士 のニーズも高まると想定して司法試験合格者を大幅に増やす計画を掲げました。 2001年の司法制度改革推進法で法律家の大幅増員が決められて以降、 国民へ十分な司法サービスを提供するために弁護士の数は年々増加の一途を 辿ることになります。 1995年に1万5千人程だった弁護士は、2009年には2万7千人程と 倍近くにもなります。 しかし合格者は急増する一方で訴訟は思うように増えなかったのです。 弁護士が新たに受任した訴訟件数は2004年は574万件だったのですが、 2008年には443万件と減少、増えすぎた弁護士が仕事にあぶれる状況 になってしまいました。 弁護士の仕事が増えればベテラン弁護士は新人弁護士を雇用して依頼をこなし、 新人弁護士はそこで学び一人前へ育つことになります。 この予定通りなら優秀な弁護士が増えたはずですが、実際には弁護士への 依頼は減少してしまったのです。 全体の仕事量が減ったにも関わらず弁護士人口は増えていったので、 ベテラン弁護士ですら自分の事務所を守るのに精一杯、新人を育てる余裕 がないのです。 この需要と供給のアンバランスを受けて、やっぱり弁護士を減らすべきとの 意見も目立つようになってきました。 弁護士を減らすべきだとの主張には、これ以上弁護士が増えると自分の仕事が 減ってしまう、というベテラン弁護士達の危機感もあるでしょう。 たしかにこのままでは増えすぎた弁護士によるパイの取り合いはますます激化、 仕事にあぶれる弁護士も増えていきそうです。 ですがこうした流れに反論し、生き残るためには意識改革が不可欠だと訴える 弁護士もいます。 仕事がないと嘆いている弁護士には仕事を開拓しようという気持ちが乏しい、 これが問題だというのです。 また法律は毎年変わるので常に勉強会に出席したり、他の弁護士と情報交換 して新しい知識を増やす努力も必要です。 昔は事務所を構えているだけで仕事がやってきたけど、今はそれだけでは 依頼人はやってきません。 勤勉で努力を惜しまない弁護士のところへ仕事を持っていくのです。 時代に取り残されないためには、弁護士もサービス業としての意識改革が 必要な時期なのかもしれません。