依頼者が弁護士を選べる時代

司法試験の制度改革

弁護士の競争を促進するための制度改革。

もともと司法試験の制度改革は、弁護士が少なすぎて競争が少ないため、 質が低下して料金も高止まりしてしまうので弁護士の数を増やしていこうと いう考えからきています。 その考えは悪くないのですが、問題は急に増やしすぎたことにあるわけです。 弁護士を増やすため多くの新人弁護士を産み出しても、それを育てる環境が 整っていなかったのです。 急に合格者を増やせばこのような就職問題が起きることは当然で、 少し考えれば想像できることだったのです。 弁護士試験に合格した人ならすぐに独立開業できるのであれば問題無い のですが、そんな簡単に弁護士の業務は勤まりません。 これはどんな職業でも当たり前のことで、実務経験がない状態でいきなり仕事 がこなせることなどあり得ません。 ましてや法律の専門家としての知識と経験が求められる職業において、 未経験者が開業することは無謀でしょうし、その弁護士に相談に訪れる依頼者 にも迷惑を掛ける可能性だってあるのです。 先輩弁護士に仕事を教わるでもなく、実務経験も全くない新人弁護士は、 悪意はなくとも依頼者にとってある意味怖い存在になります。 そしてそういった弁護士の多くは近いうちに経済的に行き詰まります。 なんとか依頼者を獲得しようと価格破壊を起こしたり、報酬を得ようと怪しい 商売に手を出す人が出てくるのです。 弁護士という看板で詐欺的な商売を行おうと考えているような所に名貸しを して高額の顧問料を受け取るといった行為や、 明らかに勝てない裁判とわかっていても、必ず勝てるからと裁判を行うことを 相談者にけしかけ、依頼者を説得して高額な裁判費用を請求するといった 悪徳弁護士の増加が予想されるのです。 こうなると競争を促進することで価格を下げて弁護士の活躍の場を増やす、 という当初の計画は崩れ、世の中に悪徳弁護士を排出するだけになって しまうのです。 つまりは弁護士の質の低下が進むことになるのです。